幽霊機関車ティモシーについて、その2

ティモシーとは...彼はクレイ・ピッツで働く紺色の...いや違う、そっちじゃない。

はい、ふざけました。すみません。今回書いていくのは、幽霊機関車の方のティモシーについてです。動画などが出たのは確かこちらが先だったので、ティモシーの名前については偶然の一致ですね。

実は、3年ほど前にもティモシーの記事を書いたのですが、それは単にストーリーなどを述べただけだったので、今回は別の事についてを書いていきます。

今回書くのは、「幽霊機関車ティモシーの都市伝説は本当か」ということについてです。

 

 

率直に言うと、NOです。本当ではありません。単なる二次創作・クリーピーパスタ(海外のホラー系の文章ストーリー)です。

理由はいろいろありますが、まず大きいのが尺に関する問題でしょう。きかんしゃトーマスは毎エピソード5分、OPとEDを除けば4分30秒で制作しなければなりません。

そんな中にティモシーがどうたらこうたらなどのストーリーのねじ込んだとすれば...?

もちろん、尺をオーバーしてしまいます。もちろん、未公開シーンなどで「尺の都合でカットされた」ようなシーンはたくさん存在しますが、ティモシーの都市伝説は「1度だけ放送された」ということなので、確実にあり得ないです。

2つ目の理由は、原作の存在の為です。ご存じの方が多いと思いますが、きかんしゃトーマスには原作となった絵本が存在します。それが「きしゃのえほん」です。

都市伝説内でティモシーが登場したとされている「ゆうれいきかんしゃ」は原作のエピソードに基づいたお話であり、第1-4シーズンまではそのような「原作再現エピソード」が多かったのです。つまり、尺を伸ばすために話を長くするようなことがなされているエピソードもいくつかありましたが、このエピソードでは絶対にありえないのです。それはなぜか。それは、すでに原作から1シーンがカットされているからです。

原作絵本には、「農夫のサムはクロウさんから石灰を積んだ荷車を引っ張っていくように言われていましたが、そのことをすっかり忘れていました。彼がそれを思い出したころにはすっかり暗くなっていて、大急ぎで馬に乗って石灰の荷車を引いていきました。」こんな感じの供述があります。その後、荷車が踏切で引っかかってしまい、サムは助けを呼びに行きます。しかし、同じ時間にパーシーがやってくることをすっかり忘れていて...。という感じです。そこからはTV版とあまり変わりはありません。

TV版では単に「荷車を引っ張っていた農夫は助けを呼びに行っていて、そこには誰もいなかった。」とナレーションがなされています。(英語版では「農夫のサム(Sam The Farmer)」と名前もちゃんと呼ばれています。)

農夫のサムを乗せたテレンス、そして彼の引っ張る石灰の荷車が映っています。

これだけでは、最初からTV版の脚本でカットしただけなのでは、と思っちゃいますが、TV版には「真の」未公開シーンがあります。その画像を見ると、農夫のサムが馬ではなくテレンスに乗っているのがわかります。つまり、この1シーンは撮影されたが、カットされたということになります。ということは、すでに尺が短く編集されているわけですね。よって、「尺の長い都市伝説のティモシーのようなストーリーを序盤に入れることはできなかったであろう」ということです。

また、都市伝説ではイギリスの初放送後にウィルバート・オードリー牧師が激怒したとされていますが、もしもそんなものが放送されていたら、牧師は作品自体の放送を中止させるでしょう。(実際、1953年のBBC放送(The Sad Story Of Henry)も1回だけで打ち切りになりました。)

他にも都市伝説が嘘だという証拠はいくつかあります。例えば、

TV版本編での幽霊機関車はパーシーの形をしているのに、ティモシーはトーマスと同じ形だと言われている、目撃者が誰一人としていないなどですね。

いまだに作者が誰かはわかりませんが、Kanefan701さんだと言われることもあります。この方はTrainzシュミレーターでティモシーのお話を作っていました。(でも、都市伝説の作者かどうかはわかりません。)

ちなみに、ティモシーの顔についてです。あの顔、実際には第3,4シーズンあたりで(ジョークとして)制作されたトーマスの顔だそうです。モデル・メーカーのジェレミー・キングさんが顔を作り、撮影前にトーマスのモデルに顔パーツをセット。それを見た監督のデイビット・ミットンさんは大爆笑だったそうですw

(ちなみに、ティモシーの顔としてよく使われているのは、TheIronEngineさんが加工して作ったもの。プロフィール画像にしていたそうですが、ティモシーの顔として無断使用されたようですね...。)

まあ、こんな所です。あくまでもクリーピー・パスタは日本の都市伝説のような「ありえそうだけど、ありえない、そんな怖さがある」ようなのとはまた違った感じで、コピー&ペーストで広めて、ユーザーを怖がらせるといった感じのドッキリ?みたいな物のようですね。前回の記事も書き直すかもしれません。それでは。